静まる大阪 音楽コンサート“流出” 大ホール閉館・休館で(産経新聞)

 「大阪の音楽の殿堂」といわれた大阪厚生年金会館(大阪市西区)が3月末に閉館して1カ月余り。建物を落札したオリックス不動産が大ホールを改装して平成23年秋に再開する予定だが、大阪市内ではフェスティバルホール(北区)も休館中(25年再開予定)。大ホール確保が困難な状況が続いていることから、コンサートやイベントの“大阪離れ”が問題化している。(安田奈緒美)

 「大阪のような大都市に3000席規模のホールがうちしかないとは…」。厚生年金(2400席)の閉館とフェスティバルホール(2700席)の休館で、利用が飛躍的に伸びているグランキューブ大阪(大阪市北区、2754席)の担当者は、現状を憂う。

 平成19年度に26件だった利用件数は、20年度に47件、21年度は80件に上った。今年度は予約も含めて受け入れ限度の100件近くで、23年度もすでに60件の予約が入っている。「こちらも開館10年でメンテナンスが必要な状況。万が一の場合に代替会場も提案できない状況は異常です」

 再開が決まっている厚生年金の大ホールだが、予約受付開始のめどが今秋以降であるため、混乱は続いている。大阪市内のホールのほか、兵庫県のアルカイックホール(尼崎市)や県立芸術文化センター(西宮市)、なら100年会館(奈良市)などにもポップスコンサートやバレエの公演が移っており、大阪のホール関係者は「コンサートやイベントの大阪離れが現実の問題になっている」と話す。

 そんな中、コンサート企画会社は会場確保に躍起になっている。そのため、まず会場ありきで1年先や2年先まで予約を入れておきながら、実際には期日が迫るとキャンセルしイベントが入らないケースも続出。ホール側は「予約で押さえられてしまうと主催事業の日程も取れなくなるなどの弊害がある」と困惑顔だ。

 特殊な公演にも深刻な影響が出ている。これまで大ホールはバレエやオペラの公演にも対応できるよう、客席よりも低い場所にオーケストラピットを持っていた。法村友井バレエ団は「団の本拠地である大阪市内で、オーケストラピットがあって客席数のあるホールを確保できていない。再開される大阪厚生年金会館にはぜひピットを残してほしい」と期待を寄せる。

 オリックス不動産では現在、ピット問題のほかに、音響施設の更新なども検討中といい、「今夏までに改装の内容を発表したい」としている。

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